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#BlackLivesMatter! POCで外国人のわたしたちができること

こんにちは!
コロナで大打撃だったNY、今度は別のことで空気が満たされています。とはいえ、これは全く新しいことではありません。#BlackLivesMatter 米警察のアフリカ系アメリカ人に対する暴力、殺人への反対運動です。今回はミネアポリス警察による殺人が契機になりました。

まさにまだ毎日デモが行われているNYで、外国人であり、POC(People Of Color 有色人種)のわたしが何をできるだろう?と思いながら過ごしています。ひとつできることは、わたしの立場で、わたしの言葉で、日本の皆さんに向けて書いてみること。ここでは、わたしが個人的に思うことを主軸にします。正しいかどうかは置いておきます。詳しい情報はご自身で調べてみてくださいね。信じるか信じないかはいつだってあなたの自由です。自分で考えましょう。

1、歴史を知ってる?
アメリカは外国です。自国の歴史でさえ詳しくはないのに、アメリカに住んでいたら自動的にわかるなんてことはありません。調べる、読むが大前提です。わたしもまだ勉強中ですが、大事なのは『わたしはなにも知らない』という謙虚な態度でいつづけることかなと思います。それが外部の人間の最低限のエチケット。
そしてもうひとつ大事なことは、対面でもオンラインでも、アフリカ系アメリカ人に聞かないこと。これは痛みの歴史です。傷をえぐるようなことはしないで。(あなたの味方だよ、と声をかけることはできるかもしれませんが、こちらの意見を言うよりも相手の話を聞くことを大事にしてください。そしてもちろん相手の気持ちに寄り添って。)
静かに、自分で、もしくは同じ立場の人同士で調べましょう。

2、わたしは全体図のどこにいる?
『外』です。わたしたちはどこまでいっても当事者ではありません。POCですが、それはこの文脈では関係がありません。
Black Lives Matterに対して、All Lives Matter(全ての命が大事)は言ってはいけないことです。なぜ?全ての命は大事でしょう、と思うかもしれないけれど、そしてわたしも全ての命は大事と思っているけれど、この文脈はまた別です。トーンポリシングに当たります。つまり、足を踏まれ続けた人達が、痛みをに耐えかねて、足をどけろと言っているのに対して、足を踏んでいる側(白人)や、自分は足を踏んでいないけれど踏まれてもいない側(その他のPOC)が、うるさいな、わたしだってしんどいんだよ、我慢しろよって言う様なものです。
『外』のわたしたちは、痛みを訴える人たちの声を静かに聞くことができます。声を奪われてきた人の精一杯の声を横取りしないで。

3、わたしの特権はなんだろう?
『Privilege 特権』ということが人種差別をはじめとするいろんな差別問題を語る時に大事です。人は誰でも、社会の中でそれぞれがなにかしらの特権を持っています。そしてそれはあなたにとってすごく自然であり、元々与えられたもの、もしくは努力して身につけたものであり、普段意識するものではないかもしれません。だけど、もしもそれが他の人から見たら、手に入れたくても手に入らないものだとしたら?
差別を意識的にしていなくても、自動的に差別する側に属していることは、あります。White Privilege白人の特権が今問題になっているわけですが、わたしたちにだって、持っている特権・持たされている特権があります。このことはなかなか理解しにくいことですが、自然に持っているものだからこそ、一度考えてみるのは大事だと思います。

例)わたしの特権:日本国籍、日本人の両親、シス女性、ストレート、大学院卒、バイリンガル、海外在住、健康体、仕事がある、既婚…
(なにが特権でそうでないかは、状況や文脈に左右されます。わたしの場合だと日本国籍であることはNYに住んでいる限りマイノリティですので特権ではありませんが、日本に帰るとマジョリティです。)

4、わたしのコミュニティでなにが起こっているだろう?
『外』だから、では全て他人事かというとそんなことはありません。日本にいるとわかりにくいですが、人種差別は日常的に起こっています。渋谷警察によるクルド人男性への暴力がありましたが、あれは氷山の一角にすぎません。入国管理局の行なっている暴力と人権侵害、留学生への給付金を介しての差別など、報道されているだけでもたくさんあります。
人種差別=いつも外国人差別とも限りません。日本に生まれ育っても外国籍の人たち。見た目は同じ東アジア人なのにある時急に線を引かれる人たち。
多様化していく家族の現実についていけない制度の間で声を出す力さえも失っている人たちがたくさんいるはず。怒ることができる人はまだ力の残っている人。声を失ってしまっている人、あなたの周りにいませんか?

5、わたしの中の人種差別を見直そう。
『わたしは一度も人種差別なんてしたことない。』そんな風に言い切る人のことを信じないでください。生まれたての赤ん坊でない限り、絶対に絶対にあります。わたしもあります。なぜなら残念ながら今の社会がそうなっているからです。ないことにしないで、しっかり見つめ直して。アフリカ人への差別だけではなく、他のPOC、もしくは白人にだって思い込みがないか考えてみて。映画を見たとき、コマーシャルで、なんでこんな風にこの人たちが使われているのか?社会の送ってくるメッセージの背景を考えてみて。

6、この問題についてわたしたちができること
『外』のわたしたちができることは、署名、ドネーション、学ぶこと、それから、身近なところで話してみることです。わからないことは悪いことではありません。解決策なんて誰にもわからないんです。単純に悪者を倒せばいいなんてことではありません。答えなんてあったらもうとうに終わっているはず。だけどわからないなりに考えて話してみることができます。正しくなくても構いません。意見を変えても構いません。間違えたら訂正すればいいんです。学び続けて対話していくこと。しんどくなったら休んで、また元気になったら続けましょう。


どうして差別がいけないことなのか?
これはなかなか説明するのが難しい問題です。差別は実際に自分がされてみないとわからないことで、もちろん経験せずにいられたらそれに越したことはないのです。でももしあなたが、声も出ないくらい悲しいことに出会ったら、そしてその傷を癒したあと、他にも同じ思いをしている人がいたら?

わたしはあらゆる差別に反対します。
わたしたちひとりひとりの声には力があります。
わたしたちは本当はわかりあえるはずです。
わたしの立場から、Solidarity 連帯を叫びます。

あ、最後にもうひとつ、現在起こっている略奪や暴力について批判するのは簡単ですが、以上のことを考えれば簡単には言えないはずです。そしてその暴力を、怒りのエネルギーを利用している側がいることも忘れないで。メディアの裏を読みましょう。

LOVE, Yuko
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